ひとり目

妖精みたいな、ヒッピーみたいな、スイス人の女の子


”Aloha I am going to Tenerife next week!”

と、年末にいきなりメッセージを送ってきた、スイス人のVictoria。

いつも突然で可笑しな彼女。私スペインにいるのに、なんでアロハ?

彼女からのメッセージを読みながら、Victoriaと出逢った日の事を思い出しました。

2017年の12月、オーストラリアのバイロンベイという小さな街のシェアハウスで過ごしていた私。ルームシェアをしていたチェコ人の女の子が、タトゥーアーティストになる!と言ってバリへ行ってからすぐの事。

”Aloha I’m Victoria”と言って部屋に入ってきた小柄な私より更に小柄な女の子、それがVictoriaとの最初の出会い。

ここオーストラリアなのに…なんでアロハ?と思っていたら、察したように

「昨日までハワイにいたの。彼氏が来てッて言うから予定を変更してオーストラリアまで来たんだ~」

とフランス訛りの英語で伝えてくれました。

留学先の滞在国って、そんな簡単に変更するものなの?

しかも彼氏に呼ばれたからって…!と初対面からインパクトの強い子。

それでも人懐っこい笑顔+ルームメイトって事もあって一気に仲良くなって。

バイロンでヨガ

Tea tree lakeと呼ばれる紅茶色の湖でヨガをしたり、一緒にサーフィンに出かけたり(私は眺めるだけ)、

会ったばかりとは思えないぐらい居心地の良い子。

出逢った時まだ19~20歳だった彼女は、小柄で華奢な事もあって子どもにしか見えなかったのだけど、

4年ぶりに会ったVictoriaは少女から…不思議な魅力がある”女性”に成長してました。

幼いようで不思議な色気がある、なんだかティンカーベルみたいな。

この4年の間に、7年近く付き合っていた彼とお別れして、建築士になるべく学校へ。3か月で好きじゃない!と進路変更。

アートの勉強をした後、今はフラワーアレンジメントとスキーのインストラクターというダブルワークをしている、とブロンドの髪を揺らしながら、身振り手振りで楽しそうに教えてくれた。

「山小屋で魔女みたいな暮らしをしてるんだ~。住所とか無いし、illegal(違法)かも、ははは~♪だって人がいるところは嫌いなの。花屋の仕事は寒くって、いつもニット帽を深くかぶってるの。寒がりなあやかには無理かもね~」

って、私の腕にギュ~って抱きつきながら話してくれるVictoriaは、相変わらず自由に心の向くままに生きていらっしゃる!

今回はるばるテネリフェまで来た理由は「夢にあやかが現れたから。あぁ、もう会いに行かなきゃって思ったの」って(笑)

本当、突然すぎるけど、こういうの嫌いじゃない、むしろ大好きです!(笑)

しかも寄りにもよって、嵐の近づいてる時にくるなんて!

オーストラリアを出てからアジアを旅してスイスに戻った彼女は、2年ほどVEGAN生活をしていたんだって。

感情の起伏が小さくなっていくと同時に、いろんなセンスが磨かれた。と言ってて、

強く思った相手の見ている景色が、まるで自分が見ているように見えたり、匂いや感触すら感じられると!コントロールできるわけでは無く、寝てる時に夢を見ているようにイメージが浮かぶと。彼と別れたのも浮気している映像が見えたから。

「夢かもって思って電話したら、夢の中にいた女の人とその時一緒にいたの。それで愛が枯れちゃった」

ってウルウルしながら話してくれて、私はそのパワーにただただ驚くばかり。

もう一つ驚いたのが、お共に連れてきたスイス人のテオ。新しい彼氏と思いきや、

「実はまだ3回ぐらいしか話したこと無いんだ~。先週道で会って、私ホリデイなんだ。って話をしたら彼もちょうど同じタイミングでバケーションって言うから、テネリフェ行くんだけど、来る?って誘ってみたの。We will learn each other through this travel(この旅でお互いの事知るつもり)」って。 本当彼女の行動には毎度驚かされることばかり。

穴の開いたセーターに、じゃらじゃら石のアクセサリーを身に付けて、車で寝泊まりしてたから「Dirty ヒッピー」て言われちゃった~あはは~と笑う彼女。確かにゆるさ、ピースな感じ、そして周りの目を気にせず自分の道を進んでるところ、全てが魅力的で彼女の笑顔が眩しくて、私は少しせかせか生きてんな~と気づかされた。

「あやかはエレガントでハッピーなヒッピーだよね。あやかと話すとハートチャクラが開くよ、自由だけど調和してるもんね」

←もはやヒッピーなのか謎だけど、でも妖精みたいな、ヒッピーみたいな彼女にこう言ってもらえるのは光栄なわけで。

これからも自分の”好き”に耳を傾けつつ、調和して誰かのハートチャクラをこじ開けたいな、と思った嵐の夜なのでした。

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